彼らが協力会社スタッフの管理に多くの時間を割くことは、プロジェクトにおける人件費の投資効率という観点からみてのぞましくない。
また、GLやSGLは、みずからも中核的な技術者としてソフトウェア開発の作業を担っており、彼らが協力会社スタッフの管理に時間をとられることは、工程の進捗に影響を与えることにもなる。
品質と進捗の管理にともなうGLやSGLのこうした負担は、受託契約をむすぶことで、軽減することができる。
というのも、受託契約の場合、詳細設計書やプログラムといった一定の量と質の成果物を対象として、取引契約がむすばれる。
そのため、協力会社各スタッフの作業の進捗や成果物の品質に対する一次的な管理は、協力会社スタッフのなかのリーダーが行なうからである。
受託契約のもとでは、GLやSGLは、協力会社スタッフのリーダーへの指示を通じて進捗管理を行なえばよい。
品質管理についても、GLやSGLがレビユーを行なう成果物は、協力会社のリーダーによりすでに一度は品質がレビユーされたものである。
そのため、GLやSGLによるレビューの結果、指摘事項が発生する頻度は少ない。
これらのことから、受託契約をむすぶことは、協力会社スタッフを個別的に管理することにともなう、プロジェクト管理者の負担を協力会社に外部化し軽減させる効果があるといえる。
PMおよびPLは、外注化を行なう際に、常駐契約と受託契約のいずれの形態で協力会社を利用するかについて実質的な決定権限をもつ。
事例では、「一般会計」のコーディングから結合テストの工程と、「資産管理」の要件定義からシステムテストまでの工程で、ともに受託契約にもとづき外注化が行なわれている。
それにより、協力会社スタッフを利用する際の、GLやSGLの負担の軽減がはかられている。
とはいえ、協力企業とのあいだで受託契約をむすぶためには、契約に際して、協力企業が担当する成果物の内容を明確に定義することが必要である。
システム開発工程のうち、詳細設計から結合テストまでの工程は、詳細設計書やプログラムの範囲や数量により、受託契約の対象となる成果物の内容をあらかじめ明確に定義できる。
そのため、これらの工程で外注化を行なう際には、受託契約をむすびやすい。
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